文解釈の曖昧性 (その 1)

ちゃんみむです!寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、今日はタイトルにもあるように、「曖昧性」について書きたいと思います。

 

曖昧とはつまり「はっきりしない...」 という意味ですが、実は英語では、一口に「曖昧」といっても、細かな区別があります。

 

具体的に言うと、“vague” と "ambiguous” というやつなのですが、これだけだとパッとしないと思うので、ちょっと具体例を挙げますね。

 

(1) love 

皆さんは、この単語を見てどんな事を感じますか?

love は、日本語では「愛」という訳が与えられます。では、「愛」とはなんでしょうか?たとえばお友達に

 愛が足りない!!

となんの脈絡もなく言われたらどうしますか?

一つには、

その人の恋人になってくれそうな友達を紹介する

というのが挙げられますね。つまり、「恋愛」の「愛」が足りないという解釈をする場合です。

それから、

もしかして、自分はちょっとこの人に冷たくしすぎたのかもしれない...

と日頃の行いを反省するかもしれません。つまり、その人に対して「愛を持って接する」という意味での「愛」です。

はたまた、

この人、もしかして虐待を受けているのかもしれない...

と、心配になるかもしれません。つまり、親が子どもに十分な「愛情」を注いでいない、いわゆるネグレクト的なことが起きているのではないか... ということです。

こんな風に、一口に「愛」と言っても、それ自体の意味が広すぎるために、意味が定まらない... こういうのを、“vague” といいます。

 

では、こんな場合はどうでしょう?

 

(2) マリの友達には、幼い子どもと犬がいる。

では、質問です。次のうち、幼いのは誰ですか?

① 子ども ② 犬 ③ 子どもと犬

「幼い」は形容詞で、名詞を修飾します。基本的には、形容詞と隣り合った名詞は修飾の対象になりますから、「子ども」を含まない ② 犬 は間違いであることがわかりますが、① と ③ は迷いますよね。というか、答えが定まりません。

このように、文の中で、修飾関係の解釈が複数個存在する (多義的である) 時、その文ないし、句は “ambiguous” であるといいます。

 

特に、文や句の構造が曖昧である (ambiguous である) 時は必要な解釈が導きづらくなってしまうため、何か文章を読んでいてこういった「曖昧な」表現に出くわした時には前後の文脈に気を配る必要があるのと同時に、自分が書き手になった時には、できるだけこういった曖昧な表現を使わないように注意することが必要です!

 

このあと、ambiguous の例を挙げようと思ったのですが、思ったより文字数が多くなったしまったので、具体例はこれとは分けて紹介したいと思います!

 

それでは、今回はいったんこの辺で!

最後までご覧いただいてありがとうございました!

続編もお楽しみに!